鼓室内薬物注入術
鼓室内薬物注入術とは、鼓膜に孔を開け、特殊な抗生物質を注入するという手術です。
鼓室内薬物注入術によって、抗生物質が内耳にしみ込み、内リンパ液をつくる機能を抑制することで、内リンパ水腫が軽減するというしくみです。
鼓室内に薬物を注入する手術には、鼓室内ゲンタマイシン投与、鼓膜チューブ留置術、鼓室内ステロイド投与などがあります。
鼓室内ゲンタマイシンとは、中耳にゲンタマイシンを投与することで前庭機能を低下させてめまいがおこらないようにする方法です。この手術によって、聴力低下の恐れがあるということで、医師によって賛否両論です。
鼓膜チューブ留置術とは、小さい筒状のチューブを鼓膜に挿入し、鼓室の換気を目的とする手術です。
めまいには鼓室換気が有効であるといわれています。
鼓室内ステロイド投与とは、中耳にステロイドを1週おきぐらいに投与するという手術です。
それぞれ状態に合わせた方法を選んで手術を行います。併用して行う場合もあります。
前庭神経切断術
メニエール病の内リンパ嚢開放術を行った後も再発してしまった場合や、内耳にめまいの原因があって、強いめまいが頻発する場合などに、平衡感覚をつかさどる前庭神経だけを切断する手術を行う場合があります。
前庭神経切断術は、半規管から脳へ、平衡感覚の信号を伝える前庭神経を切断し、めまいが起こらないようにするという手術です。
前庭神経切断術を行うことによって、長期的に見るとめまいが起こらなくなりますが、一時的にめまいが強くなることもあります。
また、術後半年くらいは頑固な頭痛に悩まされることもあります。この頭痛は鎮痛剤で対処して、しだいに治まるのを待つことになります。
両側の耳の内耳に障害がある場合、この手術の対象にはなりません。
前庭神経切断術は、日本ではあまり行われていない手術です。
内リンパ嚢開放術
内リンパ嚢開放術とは、メニエール病の治療手術のうちのひとつです。
内リンパ嚢とは、笑納と耳の骨を包んでいる硬膜の間にある袋状になった器官のことを言い、そこで内リンパ液を吸収します。
しかし、ここで内リンパ液の吸収がうまくできないと、リンパ液がたまりすぎてしまって内リンパ水腫となってしまうのです。
このうちリンパ水腫のかいぜんを 目的とした手術が内リンパ嚢開放術です。別名ポルトマン手術とも呼ばれます。
内容としては、内リンパ嚢を切開し、内リンパ液の逃げ道をつくるという手術で、主にめまいを抑える効果があります。
内リンパ嚢開放術は、聴力があまり低下していない場合に行われる手術だといえます。
平均10日間程度の入院で、全身麻酔で約三時間程度かかります。
まれに手術後に内リンパ液の排出口がふさがってしまう場合がありますが、そのときは再手術を行います。